フォローの重み

個人サイトやブログ時代は、今のフォローに該当するものが「リンク」であったと認識しています。
当時このリンクはワンボタンで出来るものではなくHTMLにリンク為のアドレスとコードを書き込んだり、ブログの設定でリンクのアドレスを追加するといった一手間が必要でした。
ですが、SNSが台頭してきてワンボタンでリンクとリンク解除が出来る事になった為非常に気楽になった反面、このフォローを「友達機能」として紹介するところも増えた事で、単なる道路標識や近道に過ぎなかったリンク(フォロー)が持つ重みが増したと思う。

オフでも交流があったり、定期的に顔合わせするメンツであれば話は別ですが、そうでないネットだけの素性も知らぬ他人にそこまで友達意識を持つ必要はないものです。
学校では見知らぬネットの他人を信用するなと叩き込まれるものの、フォローが「友達関係構築」という重みを増した前では焼け石に水。
ネットに慣れ親しんでいる大人でも苦しんで拗らせている問題に、ネットのいろはを知らぬネットデビューから日の浅い若者や子供もそう簡単に対処できる筈がない。

分散型SNSは、いち企業が運営するSNSより自衛や予防が求められます。
これは、分散型の性質上サーバーの運営主はほぼ個人の為、モデレーションに限界があるのと、サーバー毎に規約や住民の性質が違うからでしょう。
機能として存在するミュートやブロック、インスタンスミュートはもちろん、有志の方が公開しているプラグインやCSS等も駆使して予期せぬ対立や事故を防ぐ立ち回り力が求められます。

枯れた技術の水平思考といいますが、分散型はサイト・ブログ時代の知恵が思わぬところで活用出来ます。
サイトブログ時代は、厄介さんは関わろうとせずドメインブロックや特定サイトからのアクセス拒否、クローラー拒否コードをHTMLに仕組んだりパスワード制にするなどして自衛しろという心得があったと記憶しています。
それが誰でも気軽にワンボタンでリンクが出来るフォローという概念が出来てから忘れ去られたのかなと。
ですがここにきてフォローしているヤツだいたいトモダチなウェイ感があったゼロ年代オープンSNSが軒並みガタついてきていて、棲み分けや自衛がしやすい分散型に注目が集まっているのは不幸中の幸いでしょうかね。

これでフォローは単なる近道のリンクに過ぎないというのを思い出せれば、ゼロ年代のあの楽しくカオスなネット空間を思い出せるのではないでしょうか。

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