あくまでも自分の体感的なもの、と言う事を前置きしておきます。
かつてサイボーグキャラは強キャラ属性の一つとして名を連ねていたと思いますが、ここ10年くらいは強キャラというより噛ませ犬属性に降格しつつある気がします。
今でも強いキャラである事に変わりはないですが、絶対的地位ではなくなり、むしろ弱点や取り回しの悪さが年々付与されてきて、強さランキング的にデメリット多くね?みたいな弱体化ですね。
今は同じ身体改造系でも、機械置き換えというより遺伝子そのものに改造を加えたミュータント超人キャラに立場を奪われつつある…様な気がしてならないです。
この妙なサイボーグキャラのデメリット増加の一つの理由に、ネット環境が整備されて、昔とは比較にならない程ネット技術が発達し、それに伴い機械特有のデメリットも浮き彫りになってきたからではないかと思う。
サイボーグキャラ弱体化の最大のデバフが「電子的干渉に対する耐性がクソ雑魚」が、押井版攻殻機動隊以降目立つようになったなと。
物理的には滅茶苦茶強くても、ソフトウェア面ではめっぽう弱く、それ故第三者からのハックやクラッキングであっという間に洗脳されたり、記憶改竄されたり、廃人にされたり、意識を持ったまま操り人形にされる等いろいろあります。
銃夢もラストオーダー移籍前まではデジタル賛美な描写が目立ち、精神のサイバネ化におけるデメリットをあえて避けているかの様な感じでしたが、移籍後のガリィクエスト編でチップ脳の制作者に関するノヴァXとイドのやり取りで、デジタル賛美の流れが一気に不穏な空気になります。
そして火星戦記でネクロソルジャーが登場した事や、ガリィの女王暗殺未遂事件冤罪といった、ラダー議会編でちょっと触れられていた精神のデジタル複写によるエイリアス問題に抵触しそうなアレコレなどから、デジタル賛美に引導を渡しつつの生命賛歌へと舵を切るムーブしてましたし。
そもそも作者さんは過度なサイボーグ化を好く思っていらっしゃらないそう(GIGAZINEインタビューより)なので、この流れになるのは残当なのかも。
話がズレましたが、サイボーグキャラ弱体化の最大の理由が「インターネットとその周辺技術の発達」にあると自分は思っています。
個人的にサイボーグキャラが強キャラだった最盛期は80~90年代中盤で、このころはハードウェアの発達が急激に進んでいた頃です。
ハードウェア面にいけいけしゃあしゃあと調子に乗って当たり前でしたから、機械置き換えキャラがつよい!となるのも致し方なしかと。
ですがインターネットが普及し始めた90年代中後半にかけると、なんでもかんでもデジタルでええのん?と思う様になり始めます。
昨今だとAI技術の是非について世界レベルで壮大な学級会が開かれていますが、これもサイボーグキャラ弱体化に拍車をかけそうな気がします。
ネットやってりゃデータのハックやクラックもあり、ソフトウェアやOSをぶっ壊すソフトもその辺に転がっており、案外呆気なくデジタルデータは吹っ飛ぶ。
あれ?サイバネ属性ってむしろデバフ増えてね?って。
生体パーツ全部置き換えしても、今度はネットワーク経由でやられたら即死やん、しかも光速で予測不可能防御困難だから生身より厄介じゃね?って。
デジタルデータ最高!からの、やっぱちょっと無理もあるんじゃね?の決定打となったのはジオシティーズとインフォシークの無料ホームページサーバーサービス終了で、数多の個人サイトがデータの藻屑になったのが、デジタルデータ永遠神話に大きな影を落としたと思う。
ゲームアーカイブやサブスクもずっとアーカイブするワケでもなく、機種の新型が出ると互換性の問題で利用できなくなりますし、売り上げが悪くなるとサービス終了です。
更に携帯電話や家電・PC周辺機器等の短期間での機種変が、サイボーグキャラは不老長寿で長生きという設定に陰りを見せた様に思えます。
幾ら生身より耐久性が高くとも、飽きてしまえば呆気なく捨てられ、手入れを怠ると生身以上に物凄い勢いで劣化してしまう。
細胞の新陳代謝によるセルフメンテナンスが出来ないから、壊れたところは壊れたままで錆びると一方的に錆びる。
そういったネット技術の発達によるデジタル神話の理想と現実と崩壊が進み、肉と機械の中途半端なキメラであるサイボーグキャラに過度な理想を抱けなくなったんじゃないかって…思うワケですヨ。
でも反面アンドロイドキャラは人間よりも人間らしいキャラ属性として躍進している気がしますね…この違いなんですかね。
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