流行語大賞をチラ見して「そんな言葉流行ってたっけ」と思ったそこのあなた!仕込んだ側の手中にあるかもしれない!
流行語大賞が流行していない大賞になって久しいですが、これは人為的に仕組んだブームが今の時代如何に流行りにくくなったかを表しているとも思う。
昔は何故ブームの仕込みがやり易く、そして成功率が高かったかというと、今よりも情報網が発達していなくて、発信する側と受信する側の力関係がはっきりとした一方通行だったからでしょう。
受け取る側は検証する手段が限られていますから、発信する側の言い分をとりま全部信じるしかない。
故に天然もののブームであろうと、養殖ものの人為的なブームであろうと、流行っているからと何の疑いも無く受け入れるしかなかった。
ところが、そんな絶対的な力関係に亀裂を入れたのがインターネット。
今まで何かを発信しようものなら莫大な費用とコストがかかったのが、ネット回線と繋がったパソコン一台あればあら不思議!地球の裏側の人たちとも瞬時にやり取りができるようになったのが90年代後半。
今やインターネットの利用の敷居は、技術革新と参入者の増加で低くなり、良くも悪くもバーリトゥードとなりました。
(参加敷居の高さが一定の知的水準と治安を担っていた側面もありますが、それはまた別の話)
情報は上から下へのトップダウンではなくなり、こっちそっちあっちどっちからぶん投げられるスマブラ状態となり、受け取る側は選別と選択と見極めを重視される様になったのでありますが、古くからネットに親しんでいる人はともかく、スマホ普及のついでに「なんとなく」でネットを使っているレイトマジョリティ層が問題。
トップダウン式の情報の場からようやくバーリトゥードの場にやってきたのですから、ルールなんてまだわかりませんし、古巣のルールでネットを利用してしまいがち。
はい、前置き長くなりましたが、「そんな言葉流行ってたっけ」は、インターネットのリテラシーが序盤のスライム級レイトマジョリティ層…ではなく、逆にキラーマシンやばくだんいわめいた、厳ついヘビーユーザーをターゲットにした作戦ではないかと思うのです。
ヘビーユーザーは、「得体の知れないものはとりま調べ真偽を探る」「持ち前の知識を生かしてツッコミを入れざるを得ない」という習性があります。
調べてさして流行っていないという実情を垣間見れば「流行ってねぇよ適当なホラ吹くな」とSNSに書き込みし、第三者の反応を待ちガイルします。同じ疑念を抱いた同士らが書き込みを見て「同士よ!」とシェア&イイネします。
そして更に同士が寄って集り、ツッコミ投稿はバズりトレンド入りを果たす。
トレンド入りをすると次は「大喜利」が発生します。流行っていないネタは擦りに擦られ、派生ネタも生まれ、ウスイホンになり、時には企業も参戦し、一大ムーブメントを築き上げることもあるでしょう。
インターネットの殿堂入りの称号たるmemeの一員になれば、仕込んだ側は勝ったも同然。
はい、「流行の既成事実化」の完成です!
ほらバズったから流行ってる!流行ってるよ!流行ってるっつってんだるゥオン!!
まぁ、流行ってないものを流行っているとホラ吹いて注目度を集める手法は炎上商法でしょうが、今まで「これからはこれが流行る!」と先読み戦法でブッコンできたブームが、「流行らせろ!」と受け身メイドインワリオ戦法になったのは、時代の変化といいますか…。
ネット社会できのこる為にプライドも何もかもかなぐり捨てた、かつてのエリートの姿がまるで「脱いだアイドル」っぽくもあり、ノスタルジーなのであります。
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