漫画アプリも出世したなと

年の暮れに、自分が展開を気にしてウォッチしている数少ない漫画である銃夢火星戦記が、連載雑誌の休刊に伴い同出版社の漫画アプリ専属に移籍が決定したのを知ってふと思った事。

今の時代紙媒体の漫画雑誌から有名になるのは少年ジャンプが一つ抜きん出ているくらいで、それ以外の大部分は漫画アプリないしWEB・SNS漫画の配分がめちゃくちゃ増えたなと思う。
記憶が曖昧ですが、2015~6年くらいまでの漫画アプリはどちらかというと悪いイメージが強かった印象です。
その最大の原因は、アプリ漫画の広告がエグすぎるというものでした。

本来1話の数コマしか存在しないグロいシーンをわざわざピックアップしてきたり、全体的に見るとそうじゃないのに、わざとエグい回だけを選んで胸糞悪い作品に見せたりする、奇抜さを狙った漫画アプリ広告が目立っていました。
そんなエグい広告まみれに一時的になっていたのは、PV上昇を狙うあまり広告担当のコンプライアンスや倫理観が崩壊していたからという、嘘か本当かわからない内部事情の吐露がまとめられていたのをtogetterで見ました。

今は漫画アプリの広告は妥当な内容となりましたが、そういった故意的にエグくした広告の悪いイメージもあり、当時は掲載作品も雑誌に載るまで行かない新人の作品や同人アガリ系が多い、メジャーデビューへの登竜門的な印象が非常に強かったです。
なので、有料雑誌から無料漫画アプリ連載へ移籍するというのは、人気がないからフリーミアム媒体へと降格されたというイメージが自分の中で根付いてしまっていました。
出版不況といえど、この頃はまだ漫画雑誌は強かったです。
そこから形勢が逆転し、あれよあれよと漫画雑誌が劣勢に追い遣られるのはあっという間でした。

アプリオリジナル漫画を主に扱う漫画アプリの他、既に物理媒体で連載されている漫画も豊富に取り扱うアプリが出てきたのが、雑誌からアプリへの購読率逆転が起きたと思う。
雑誌は一度見てしまうと、余程の事がない限り見返しませんし大抵一年以内に燃えるゴミか廃品回収行きになるし、何より興味のない連載も抱き合わせで購読する事になるのがネック。
地雷の作者や作品のページをうっかり捲ってしまい、オアーッ!!ってなる事も稀によくある。
そして買い逃すと、単行本化するまで指咥えて待っている事しかできない。
雑誌を買って直ぐ捨てる事や嵩張るのが嫌だから、単行本派に属する人もいる。(自分がそう)

漫画アプリは嵩張り・見逃し・興味ない作品の抱き合わせに伴う地雷踏み抜きを回避できて、ピンポイントで好きな作者や作品をブクマして追いかけられるのが強い。
そしてなんといってもバックナンバーで読み逃しが回避できる。
連載する側としても、雑誌への印刷を考慮したスケジュール管理をほぼ気にしなくてよくなるし、何かミスがあったらデータなのですぐ差し替え修正も可能。
雑誌の印刷代が浮いた分、単行本も装丁を丁寧にしたり、特典を付ける事も容易くなったりする。

今後は漫画の定期購読はアプリで、物理媒体コミックスは補完&コレクション用という方針になっていくと思う。
アプリでの購読はアーリーアクセスのような感じで、コミックスは完全版購入みたいな。
ゲームで定期的にアップデートされていくアーリーアクセス作品を嗜むのが当たり前になった様に、漫画もそうなっていくと思う。

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