印象派2.0

とある呟きを見た

AIが自動生成しそうな、メガストラクチャーやリアルな自然空間といった、偉大な空間系やリアルな質感のコンセプトアート系の価値が暴落するのではないか、というものだった
そして、コンセプトアート系に対抗し、人間の表現を押した作品のカウンターが来るのではないかと。
この流れ、19世紀のアカデミックなルネサンス美術に対するカウンターの、印象派やキュビズムの誕生に近いなって。

ルネサンス美術が圧巻していた頃は、如何に写実的で宗教的かが重要で、それ以外はクソって認識だったんですよ。
これ、今のSNSを支配している、デッサンや構図や背景が完璧で、情報量が多いイラスト程正義!それ以外は底辺!みたいなムーブメントと似てるねって。
キャラクターをギラギラ派手に盛るのも、あれも神や宗教の威厳を高めるべく、めっちゃ派手に威圧的に描いた宗教画と重なる事がある。
そうか私らがイケてると思っていたスタイルは、19世紀の宗教画家の再放送だったのか…。

デジタルアートでのコンセプトアートの価値観崩壊を齎したのが、AIによる自動生成と仮定するなら、写実主義をビビらせたピンフォールカメラの登場と同じなのかもしれない。
カメラの登場で写実主義の土台が揺らぎ始め、印象派とかキュビズムとか生まれてくるんですね。

今がデジタルアートのルネサンス期2.0なら、次来るのは印象派2.0やキュビズム2.0とかですかね。
リアリズムもアカデミズムも突き詰めるとやる事がなくなり、やり過ぎるとピクサーの1セント硬貨の如く、しょーもない所に力を入れ過ぎて全体のバランスを崩すコントみたいな事が起きる。
これ以上リアルを探求できないなら、いっそ崩してみようかっていう流れになる。
アートってのは、リアルとアンリアルを行ったり来たりしているのかもしれない。

ただ、忘れちゃならねぇのは、キュビズムを生み出したピカソは、そこに至るまで写実的な作品をめっちゃ描いていたって事なんですよね。
以外っちゃ以外ですが、そういう前提があるからこそ、キュビズムが内包する訴えの説得力が増すものなのです。

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